土曜日午後に会っていたのか？

妻は今日の午後3時から7:30まで塾講師という話だった。
14:47、偶然にも塾近くの交差点で妻の車を見かけた。俺はその2台前を車で走っていたのだが、妻は塾の駐車場に入らず、そのまま直進。俺の車の2台後ろを走る。まさかと思った俺は「彼」の家の方向へ車を走らせた。妻の車も同じ方向だ。途中の交差点で黄色信号になったので車を左折させ、妻の車の後ろにつこうとした。しかし、見失ってしまった。異常に車間距離を空けていたから、こちらに気付いたのだろう。その後、塾の駐車場に行ったが、車はもちろんなかった。既に時間は15時を過ぎていた。

そうか、土曜日の午後に会っていたんだ。
「彼」も休みだし、塾に行ってると言えば俺は怪しまない。
塾に確認したかったが止めた。「彼」の家に行こうとしたが、止めた。セコムと契約して、居場所を突き止め、証拠をとる。そのためには、まだ気付いていないふりをしなくちゃいけない。
驚きと怒りをなんとか抑えて、子供の待つ家へ帰った。

彼らにとっては「唯一の会える時間」なのだろう。
以前の自分を思い返してみると、やっと会える幸せを味わっていたな、とせつない気持ちにもなる。離婚の話さえなければ、俺は今のままでいいのに。「あいつ」が好きでたまらない、だから、子供のために離婚はしないけど、このままでいさせて、と打ち明けてくれたなら、今の俺は許してあげるのに。

離婚の話が消えない限り、俺は証拠を集めなければならない。
4人の子供と自分の生活を守るため、慰謝料を請求されず、養育費をもしっかりもらうため。
そして、「あいつ」から慰謝料を取るため。

どんな顔して帰ってくるのだろう。
また、後頭部をくちゃくちゃにしたまま帰ってくるのだろうか。
髪くらい直してから帰って来い！